子供とママの間には、月齢、年齢に合わせた距離感が必要です。
産まれてから愛情を持って育てていると、ちょうどの距離がわからず、気づくと親子共々べったりということがあります。
子供の成長のためにも、ほどほどの距離は大切なのです。
赤ちゃんの頃の距離
4ヶ月くらいから、起きている時間が長くなってきて、ママを泣いて呼ぶようになります。
新生児の頃は、「お腹すいたー」「おしっこ出たー」と泣いていたのが、だんだん「退屈だー!」と泣くようになってきます。
泣き声が聞こえると、ママは、赤ちゃんの所に行き抱っこをして泣きやませようとします。
もちろん、赤ちゃんの要求に応えるママの対応としては正解ですが、あまりにも抱いてばかりいると、赤ちゃんは自分で動いてみようという気持ちにならず、全て泣いてママに要求を満たしてもらおうとします。自分で動こうと思う事はとても大切で、この気持ちが無いと、寝返り・ハイハイをしょうとしません。
例えば、「あのおもちゃに触りたい」と思って手を伸ばすから、寝返りができるようになります。「ママの所に行きたい」と思うから、ハイハイをします。自分で動いてみようと思わせる事は、とても大切なのです。
赤ちゃんはかわいいですし、少しの事も心配で目が離せないかもしれません。が、ずっと抱っこしているのが親子の正しい距離ではありません。安全が確保できていれば、必要以上に赤ちゃんを抱いていなくてもいいのです。
赤ちゃんが泣いている時には側に行って欲しいのですが、おっぱいでもオムツでもない時には、すぐに抱っこせず、おもちゃなど自分で触って遊べるものを渡したり側に置いたりして、自分で遊ぶ時間を作って下さい。赤ちゃんが一人で遊びだしたら、必要以上に手を出さず見守りましょう。
うちの子は泣いてばっかりで、ずっと抱っこしていないと…というママもいると思います。 本来、赤ちゃんはお腹と睡眠が満たされていれば、機嫌よく過ごせるはずなのです。
こんな場合は、授乳・睡眠のリズムが上手くいっていないと思われます。4ヶ月からの離乳食の記事を読んで、お子さんの生活リズムを見直してみてください。

ハイハイの頃
ハイハイの頃になると、自由にどこでも動き回るようになり目が離せなくなります。心配でずっと付いて行きたくなりますが、この時期に必要なのは、安全な環境を整えて赤ちゃんが自由に遊びに行けるようにすることです。
お家の中限定という事になると思いますが、大人の目の届く範囲で、赤ちゃんが自由に動き、自由に触れ、口に入れて舐めはいけない物がない安全なお部屋にしましょう。
サークルもあります。サークルは確かに安全ですが、大好きなママとの間に柵を作る事になり、赤ちゃんは不安がります。安全且ついつでもママの側に行ける事で、赤ちゃんも安心して遊べるのです。
ハイハイの時期は、赤ちゃんとママが一番多く過ごすお部屋から危険を取り払い、赤ちゃんとママが穏やかに過ごせる場所にする事に力を入れなければいけません。
そのためには、コンセントにカバーをしたり、引き出しにロックしたり、机の角をガードしたり、ペットポトルの蓋くらいの大きさのものまでは口に入れた時に誤飲してしまう可能性があるので絶対に置かないなどの環境整備が必要です。
環境が整っていれば、常に赤ちゃんの側にいなくても、赤ちゃんの行動を確認しながら、ママはお茶タイムをしていてもいいんです。見守れる距離を保ちながら、安全な環境の中で赤ちゃんの自分で遊ぶ力を育てましょう。
1歳からの距離
支援センターでよく見かける光景ですが、子供の横にママがピッタリとくっ付いていて、
「さあ、〜ちゃん、今日はママと何して遊ぼうか?」から、始まり、
「こっちの方がおもちゃがたくさんあるから、こっちにおいで」
「このおもちゃで、遊びなさい」
「お友達がおもちゃ貸して欲しそーだよ。貸してあげなさい」
「そのおもちゃで遊ぶのは、あなたにはまだ無理だから、こっちのにしなさい」
と、ずっと指示ばっかりしているママがいます。
この子は、指示されてばかりいて楽しく遊べるでしょうか?
自分だったら、「うるさいなー」と言いたくなりませんか?
子供も一緒です。このような状態で毎日過ごしていると、子供は指示待ちをするようになり、 自分で何かをしようとせず、大人がしてくれるのを待つようになります。
「ママ、着替えさせてー」「ママ、食べさせてー」「ママ、何で遊べばいいの?」と指示待ちをする子になり、すべて受け身になります。
自分で遊びを見つけ、やってみようと思う事は行動力を育てます。この行動力がないとその先の発達が遅れます。
自分で食べたいと思わないと、食べる事は上達しません。3歳までには出来るようになっていてほしい、自分で食べる、着替える、箸を持てる、トイレトレーニングなどの基本的生活習慣も、やってみたいと思わなければ、身につかないのです。
本来、子供は自分で遊びを見つけられるのです。たとえそれが大人から見れば無意味に見えるかもしれない事でも、子供にとっては無駄な事ではないのです。自分で遊びを作り出す、自分でやってみたいと思う事がとても大切なのです。
安全を確保して、お子さんがが自分で遊ぶ事が出来る、見守れる距離が、親子の大切な距離。
1歳を過ぎても、この距離の大切さは変わりません。
お友達との距離
見守れる距離ではダメな時期があります。それは、噛みつきや、お友達に手が出る時期です。
噛みつきについては、別の記事でお話ししています。


特に男の子は、人に手が出てしまう時期があります。この時期に他の子と遊ぶ時には、見守れる距離ではなく、すぐに噛みつきや手が出てしまうのを止めれる距離が必要です。ママなら、噛みつきや手が出てしまうタイミングが分かると思うので、お子さんから離れず、もし手がでそうな時は阻止して下さい。
もしも、お友達に噛みついてしまったとしても、ママが横で気を使って我が子の様子を見ていてもやってしまったのと、親が全く見てなかったという状態では、相手のママの気持ちが違います。
トラブルになりそうな場面があったら、相手のママに正直に「手がでてしまうかもしれません」という事を伝えて、その場から離れてもらうのもいいでしょう。
意外だと思う方もいるかもしれませんが、親子の大切な距離は、安全を確保したうえでお子さんを見守れる距離です。べったりとくっ付いているのがいいわけではありません。
自分で遊びを見つける行動力を育てて、なんでもやってみたい!やってみよう!と思う子供を育てましょう。